2008年07月13日

"メモリアルポトラッチ"の意味すること。

"ポトラッチ"という言葉は、「贈与(give away,gift)」を意味します。
もともとは、ハイダ族やクリンキット族など、トーテムポールを作る文化を持つ
北アメリカ大陸の北西部沿岸の先住民に由来する儀礼。
それがいつしか、暮らすエリアが近かったアサバスカンインディアンにも伝わり、
彼らの文化にとり込まれていったようです。

部族ごとにいろいろ違いはありますが、基本的にポトラッチでは主催した人々が、
来客に食事をふるまい、記念品を渡すなどしてもてなします。

食べ物としては、まずムース(ヘラジカ)がとても重要です。
ムースのスープをみんなで食べ、その日を境に死者の魂が旅立つといわれます。
また、訪れた人すべてに十分な食べ物を提供できるよう、夏の間はサーモン漁に
精を出すなど、いつも以上に食料を確保することになります。



ビーバー村でのポトラッチの風景です。
4年ほど前に、リョウさんが村に滞在したときに撮影しました。


食事の場所は、村の中心地の広場。
朝は体育館で、昼と夜は屋外で、そのつど料理がふるまわれます。




並んでいる料理は、ムースのスープをはじめ、キングサーモンのオーブン
焼きや、サラダ、パスタなどさまざま。

グッチン語でのお祈りの言葉のあと、お年寄り→子ども→ほかの大人、という
順番で料理をお皿に盛っていきます。
アサバスカンインディアンの社会において、もっとも尊重されるべき存在は
お年寄り、その次に大切にされるのが子ども、という信条がそこに垣間みえます。


ポトラッチで来客に手渡す記念品にはさまざまなものがありますが、たとえば、このようなビーズで作った工芸品もそのひとつです。


工芸品はすべて手作り。
手作業をすることで、大切な人が亡くなった哀しみをいやす、という
意味もあると聞きます。
来客に贈るギフトを作るプロセスにも、故人を偲ぶ想いが詰め込まれるのです。

村全体で催すような大規模なポトラッチは、アサバスカンインディアンにとって
たいへん特別なことです。
今回のフランク安田没後50年メモリアルポトラッチは、村の礎を築いた人物を
偲ぶポトラッチであり、さらに、日本からたくさんの人たちがやってきて催される
という前例のないもの。
どのようなポトラッチになるのか、期待が膨らみますicon12


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