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Posted by だてBLOG運営事務局 at

2008年06月07日

ポーキューパイン(ヤマアラシ)。


ビーバー村は、日本とは、地理的にも気候的にもまったく異なる環境の
いわゆる"極北"と呼ばれるエリアに在ります。

環境がちがう、それはすなわち、生態系がちがうことを意味していて、
日本に暮らす私たちには、あまり馴染みのない動物や植物がたくさん
生きています。
そしてそれらは、極北の原野に暮らす人々の生活と、深く結びついています。





このちょっととぼけた表情の、ポーキューパインPorcupine(ヤマアラシ)も
そのひとつ。

森の中のみならず、民家の庭先やハイウェイのど真ん中など、基本的に
どこにでも出没します。
好奇心旺盛なペットの犬が庭に出てきたヤマアラシに近づいて、えらい目に
あった(鼻先が針だらけ...ムンク)というのはけっこうありがちな話だし、
道路上で、車にひかれてペチャと潰されてしまっている姿もよく見かけます。

ビーバー村の人たちなどは、ヤマアラシを食用として狩ります。
この生き物は、動きがものすごーくゆっくりで、人間に対する警戒心も強くない
ので、これを食用としている人々の間では"slow meat(ノロいお肉)"とか
"the best friend of Hungryman(腹減り人の最良の友)"とか、呼ばれています。

ハンティングの季節は、ムース(ヘラジカ)と同じ晩夏から秋にかけて。
植物に旬の時期があるのと同様、野生動物にも旬があるのです。
ムースハンティングの前に、ヤマアラシを食べ、美味しいと感じたら猟に出る。
そういう目安としても使われます。

ヤマアラシの最大の武器である体中の針は、かなり危険な代物。
釣り針みたいに返しがついて、一度刺さると、容易に抜くことはできません。
そのため、人間には狩るのが比較的ラクなヤマアラシも、ほかの動物たちは
こぞって危険物扱い。
肉食のコヨーテリンクスも、ヤマアラシには手を出さないそうです。
ただ、非常に賢いとされるウォルブリン(クズリ)だけは例外で、
一説には、ヤマアラシの鼻っぱしらを叩いてひっくり返す、なんて話も。


ちなみに上の写真は、リョウさんがユーコン川をカヌーで下っていたとき、
一夜を過ごすべく川岸でキャンプしていたときに、たまたま、のそのそと
姿を現したヤマアラシ。
「あ、ども。」という声が聞こえてきそうなほどのカメラ目線です...  


Posted by ビーバー at 21:01Comments(4)極北の動物たち